産業カウンセラーは、臨床心理士と同レベルで重視されている認知度・信頼性の高いカウンセラー資格です。

産業カウンセラーは、労働者の仕事への適応上の様々な問題についてアドバイスや援助を行うことが主な役割になります。

1.産業カウンセラーとは何か

 日本産業カウンセラー協会が1960年に設立され、職業や仕事に関連して勤労者が感じる悩みや職場問題などに対して援助・アドバイスを行う専門家として、民間資格の産業カウンセラーという資格認定制度が始まりました。

日本産業カウンセラー協会では、設立から今日まで資格試験を行い企業の発展に貢献できる産業カウンセラーを養成してきました。

産業カウンセラーが担っている仕事の範囲は次の3項目です。

  1. 職場における人間関係開発への援助
  2. メンタルヘルス対策への援助
  3. キャリア開発への援助

2.産業カウンセラーの受験資格について

産業カウンセラーの受験資格を得て、試験に合格し資格取得するまでのルートは次の通りです。

産業カウンセラーの受験資格と合格ルート

2-1.大学又は大学院卒業者の受験資格

 産業カウンセラーの受験資格を得るには、4年制大学学部又は大学院研究科で心理学関連の学問を専攻し、単位の修得状況を協会が受験資格判定してOKとなった者に受験資格が与えられます。

但し、2014年1月以降は大学卒業者の場合に限り、産業カウンセリングの技能を修得するため協会が実施する面接実習の受講修了が義務付けられました。
(大学院卒業者は面接実習の受講は不要です。)

面接実習講座は、28時間(7時間×4日)の受講日程で、費用も75,600円(税込)必要になります。

受験資格判定基準

4年制大学学部
A群からG群までの科目において、1科目を2単位以内として10科目以上、20単位以上を取得し、かつ協会が行う産業カウンセリングの技能を修得するための講座を修了した者。
ただし、D群からG群の科目による取得単位は6単位以内とする。

大学院研究科
A群からG群までの科目において、1科目を2単位以内として10科目以上、20単位以上を取得していることを要する。
ただし、D群からG群の科目による取得単位は6単位以内とする。

取得科目群
取得科目群

2-2.上記以外の受験資格

 上記以外では、20歳以上の者で協会の定める養成講座を修了している者にも受験資格が与えられます。

養成講座は通学講座と通信講座があり面接実習も全国で実施されており、7ヶ月(約198時間)の学習期間でカウンセリング理論と基礎的技能の訓練が実施されます。

養成講座の受講内容
通学講座
  • 理論講座(講義) 合計36時間+DVD視聴9時間程度
  • 面接実習(カウンセリング演習) 104時間
  • 在宅研修(修了条件となります) 作文・小論文・対話分析等 40時間相当
  • 自主学習 DVD視聴 9時間程度
通信講座
  • 理論科目:
    テキストを読み、各科目の添削問題(それぞれ15~20問程度)を解いて、指定の期日までに提出
  • 演習科目:
    面接実習(104時間)に出席し、課題レポート(3課題)を指定の期日までに提出

3.産業カウンセラーの試験内容について

学科試験

範囲・科目
産業カウンセラーの学科試験
試験時間
  • 知識の試験(90分):40問5肢択一
  • 逐語の試験(60分):文章題2題

実技試験

試験内容と時間

1. 集合時間と試験時間が受験票に記載されており、時間内に受付をし会場入りします。

2. 待合室に集合し、試験方法の記載資料を読みます。

3. 待合室で、試験方法について次のような説明があります。

  • 試験時間になれば2名を呼ぶので、入室しなさいと言われるまで試験室の前で待機する事。
  • テーマについては入室待機中の間に内容を読み確認しておく事。
  • 2名がペアになりイスに座りミニカウンセリングを行う事。
  • 試験時間は各自で約5分ずつ合計10分間程度で、CLとCOを交代してカウンセリングを行う事。
  • ミニカウンセリング終了後に試験管の振り返りと質疑応答がある。
  • 試験が終了すればすみやかに退室する事。

4. 実技試験の実施と終了

試験免除について

1. 学科試験又は実技試験のどちらか一方に合格した者は、試験が実施された年度の翌年度及び翌々年度の当該学科試験又は実技試験の免除を受けることが可能です。

2. 協会が直接又は委託して行われる産業カウンセラー養成講座を修了した者で、実技能力が一定水準に達していると試験委員会が判断し認定した場合、修了した年度、翌年度及び翌々年度の実技試験の免除を受けることが可能です。

試験日・試験場所

学科・実技共毎年1月の下旬に実施されています。

学科試験の実施場所
札幌、盛岡、仙台、東京、横浜、高崎、静岡、名古屋、金沢、大阪、岡山、広島、松山、北九州、福岡、熊本、宮崎、沖縄

実技試験の実施場所
札幌、仙台、東京、横浜、高崎、名古屋、金沢、大阪、岡山、松山、福岡、宮崎、沖縄

受験料

  • 学科試験:10,500(税込)
  • 実技試験:21,000円(税込)
  • 実技試験免除適用申請料:10,500円(税込)

合格発表

毎年3月上旬頃に発表されています。

合格率と合格者数

2014年度の試験結果は、下記のとおりです。
学科試験
結果
実技試験
結果
総合
結果
志願者数 4,775名 2,043名
欠席者数 196名 71名
受験者数 4,579名 1,972名
合格者数 3,125名 1,304名 3,046名
合格率 68.2% 66.1% 60.7%

一部合格者の総数は、1,248名で、
学科試験のみの合格者数は 288名、実技試験のみ合格者数は 960名です。

主催団体・問合せ先

〒105-0004 東京都港区新橋6-17-17 御成門センタービル6階
一般社団法人 日本産業カウンセリング協会
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