現代では、知能検査や性格検査以外にも、新しく様々な心理検査が考案されています。

VPI職業興味検査とは

 VPI職業興味検査は、アメリカの心理学者ホランドにより考案された心理検査で、現在ではキャリア・カウンセリングを補助する手法として世間でも幅広く活用されています。

職業興味検査は、6つの興味の傾向を診断し、その結果から職業を選択する際に生かすために行われている心理検査です。

VPI職業興味検査の6つの興味尺度

 ホランドは、6つの尺度を想定し、それぞれの項目に対しての興味度を100点で採点し、個人の興味を測定できるようにしました。

但し、職業興味検査は、あくまで「興味があるかないか」を判断するもので、「できるかできないか」を判断する検査ではありません。

 この6つの興味尺度は、次のように「物」、「アイデア」、「人」、「データ」に対する興味の4種類に大きく分類することもできます。

分類 興味尺度 関心度
現実的興味尺度 物や機械を対象とした仕事に対する関心度
アイデア 研究的興味尺度 研究などの探索的な仕事に対する関心度
芸術的興味尺度 美術や音楽など芸術的な仕事に対する関心度
社会的興味尺度 奉仕したり人に接したりする仕事に対する関心度
データ 企業的興味尺度 組織運営や企画などの経営的な仕事に対する関心度
慣習的興味尺度 規定された規則・ルールに従って行動する仕事に対する関心度
診断結果の事例
  • 製造業よりサービス業向き。
  • 研究職よりも営業職向き。
  • 人に接する仕事への関心は薄い。

VPI職業興味検査の5つの傾向尺度

 VPI職業興味検査は、6つの興味尺度で診断する以外に、個人の5つの心理的傾向を示す尺度でも同時に診断します。

自己の職業に対する考え方や関心度などの理解を深めて、職業を選択する際の就職活動を促進するための情報提供や動機付けを行うことが、興味尺度・傾向尺度に基づき検査を行うことの大きな目的になります。

傾向尺度 程度
自己統制傾向尺度 自己衝動的な行為を統制する程度
男性-女性傾向尺度 伝統的な性役割にこだわる程度
地位志向傾向尺度 権力や社会的名声を重視する程度
希有反応傾向尺度 職業に対する見方のユニークさの程度
黙従反応傾向尺度 さまざまな職業に幅広く関心を持つ程度

田研式親子関係診断テストとは

 品川不二朗、品川孝子の品川夫妻によって1958年に田研式親子関係診断テストが考案されました。

このテストは次の10タイプに親の子育ての方法を分類し、その育て方による子どもへの影響を分析する診断テストで、子どもによる客観評価と親の自己評価との2つの観点から診断が行われます。

実際の診断テストでは、次の10項目を100点で評価しレーダーチャートで視覚化し子育ての傾向の強さを表します。

田研式親子関係診断テスト 10タイプの子育て

タイプ 育て方
放任(消極的拒否)型 親が病気がちであったり多忙であったりで、子どもの世話をしないタイプ
虐待(積極的拒否)型 子どもへの愛情が不足し、育児放棄をしたり暴力を振るったりするタイプ
厳格型 親が自分の言うとおりに育てようとし、禁止・命令・批判を厳しく行うタイプ
期待型 子ども部屋や勉強道具を与えて、過剰に子どもに期待するタイプ
干渉型 テレビ・食事・宿題など、子どもの私生活に細かく干渉してしつけるタイプ
不安型 常に子どもの友人関係や成績などに不安を感じながら子育てするタイブ
溺愛型 児童期から青年期まで全く叱ることもせずに溺愛を続けるタイブ
盲従型 子どもを躾けることができず、親よりも上の立場におき、どんな事でも子どもに従ってしまうタイプ
矛盾型 叱ったりほめたりする程度が親の気分によって左右され、しつけが一定しないタイプ
不一致型 母親が甘く、父親が厳格など両親が対立し、子どもの前で意見が割れるタイプ
診断結果の事例
1.子育ての傾向

例えば次のような傾向がレーダーチャートより見られた場合

  • ④期待型
    →子供に対する期待が過剰である。
  • ③厳格型
    →しつけも相当厳しい。
  • ②虐待(積極的拒否)型
    →親の思い通りにならないと虐待を行ってしてしまう可能性もある。
2.診断結果

診断結果は次のようになります。

親の子育ての傾向がこのままの状態では、暴力的・反抗的な傾向が強い人格に子どもが育ってしまう可能性があります。

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