摂食障害患者に対する周囲の対応
摂食障害の人は、周囲から「もう少し食べれば!」と言われるだけでも、すごく嫌がりますが、どうすれば治療を受けてくれるようになるのでしょうか?
摂食障害の人が抱いている自分のイメージは、カリガリにやせた自分がきれいだと思いこんでいることが多いようです。
そうかといって治療を受けさせないと、ますます悪化します。
本人が自分で病院へ治療を受けにいくケースは少ないので、家族が医療・相談機関に行くのが、治療の第一歩です。
また本人か家族が相談に行くまでは、親しい友人であっても、遠くで見守ることに徹して下さい。
摂食障害の人は、痩せ方が普通でなくなると、家族や友だちは心配しますが、本人は周囲の助言をはねつけてしまいます。
世間体や道徳的な考えから、本人の過食嘔吐を責める人もいるので、変人扱いしたり、陰口を言ったりしだします。
そのうち人間関係がギクシャクして孤立してしまうこともあります。
先のページで摂食障害の症状は、本人にとっては必要悪だと説明しましたが、症状を止めたいのに止められなくて、一番辛いのは本人です。
そういうことから他人である友人などは、摂食障害者の食生活に意見を言って口を出さずに、ゆったり見守る気持ちでいるようにすべきです。
摂食障害の治療法
摂食障害の人は、最後には倒れて、救急車で運ばれたりすることもあり、入院すると、医者も異変に気づき、精神科を受診するようすすめられたりします。
摂食障害の人は、食べない日は全く食べませんが、時々むちゃ食いをして、指をつっこんで吐いしまいます。
自分でも変だと気づいていますが、どうしようもないことがほとんどで、過食してしまった後は、すごく落ちこみます。
ダイエットも続けることができない自分は生きている価値はない、などと思い悩んでなかなか寝つけ無い人も多くいます。
眠れなかったり、落ちこんだりするということは、自分で自覚しているということなので、病院へ通院するのがベターです。
気分の落ちこみやイライラ、不眠などは、薬を飲めば改善されることもあります。
通院することで、悩みの相談にのってもらうこともできます。
また自助グループに参加することで同じ摂食障害で苦しんだメンバーの話も役に立ちますので、ミーティングに参加してみるといいでしょう。
摂食障害の治療を続けるなかで、学生なら卒論や就職活動、社会人なら仕事で精神的に負担がかかる時期もあります。
そういうとき、ストレスで過食や嘔吐がひどくなっても絶望しないようにすることが大切です。
摂食障害は、一進一退の時期があっても、ゆっくり少しずつ回復に向かう病気なので、あせらないようにしましょう。
摂食障害は、極端なダイエットなどをきっかけに発症し、その要因には自己評価の低さや自己肯定感の弱さがあります。
多くの場合、拒食と過食の両方が発生し、体中に健康障害をきたし、命の危険もある病気です。
本人は、自分がやせすぎと認識していないことも多く、家族の誤解・無理解が病状を悪化させている場合もあるので、家族の相談から治療が始まる場合もあります。
栄養状態の異常や、アルコール依存・薬物依存の合併などの危機を脱したら、あせらずに治療を続けることが大切です。