薬物依存症は中毒性精神病である
薬物依存症が恐ろしいのは、中毒性の精神病だからです。
なので、必ず幻覚や被害妄想に悩まされることになります。
クスリをやめさえすれば、幻覚や妄想はおさまりますが、自分の意志ではなかなかやめることはできません。
早い話、早く警察ざたになって捕ったほうが、薬物依存の初期段階で少年院や刑務所に入ることになり、物理的にクスリを使えなくなって、中毒性精神病のリスクが減ることになるので、結果的には本人のためになることもあります。
初回なら、ほとんどの人が数か月以内におさまりますが、クスリをやめると、離脱(禁断)症状が出ます。
離脱症状は生命の危険もあるので、依存症専門の治療機関で、幻覚や妄想に効く抗精神病薬を使って治療します。
やめようとしても、くり返し使いたくなるのが依存薬物ですが、本人がきっぱりやめる意志がなければ、治療は始められません。
クスリに再び手を出すと!
麻薬などの違法薬物に手を出した結果、薬物依存症で中毒性精神病に陥った場合、もしクスリに再び手を出すと、ほんの少しの量でも再使用すれば、ひどい病状が戻ってきます。
再使用しなくても、酒の飲み過ぎやストレスで再発することもあります。
再使用・再発をくり返したあとでは、後遺症も重くなり、クスリをやめてから何年も、だるさや幻覚、フラッシュバックに悩まされる人もいます。
薬物依存者の恋人などが注意すべき点
薬物依存者の恋人などがいる場合、注意すべき点は、クスリをやめるまで絶対に会わないようにすることです。
薬物依存者は、身近な人にクスリをすすめて、共犯者に仕立てる傾向があるので身近な人が一番危険な立場です。
薬物依存症の治療
薬物依存の問題には、精神保健福祉センターや保健所が相談にのってくれます。
また薬物問題をかかえる人の家族や友人のための、自助グループもあるので参加すべきです。
薬物依存症の回復施設・自助グループには、DARC(ダルク)、NA(ナルコティクス・アノニマス)、NAR-ANON(ナラノン)などがあります。
薬物依存の問題解決には、その家族の協力も必要です。
家族に自分の悲惨な現実を知られることで、本人が「このままではもうだめだ!」と真剣に考え「どん底だ」と思わないと、薬物依存からは抜け出せません。
現在も若年層の覚醒剤使用が多くなっています。
依存は段階的に進みますが、習慣性が強いので、自力でやめるのは困難ですので、専門病院での治療、リハビリ施設への通所・入所、自助グループヘの参加が必要です。
幻覚や妄想が起きる中毒性精神病になる可能性が大きく、一度なってしまったらなかなか元の状態にはもどりません。
ここまで違法薬物について説明してきましたが、合法の薬物でも危険性のあるものも存在します。
例えば、せきどめ薬には、覚醒剤に似た成分が入ったものもありますし、睡眠薬や抗不安薬なども、処方通りに飲まないと依存を起こす可能性があります。
悪質な売人などは、合法ドラッグで薬物使用に抵抗をなくさせてから違法ドラッグを売ったり、やせ薬と言って、覚醒剤を売りこむ手口もあるので、十分注意する必要があります。