精神保健福祉士(PSW)は1997年4月から始まった国家資格で、以前はケースワーカーや精神科ソーシャルワーカーという名称であった職種を資格制度化したものです。
1999年には第一回目の精神保健福祉士の国家試験が実施されました。
精神保健福祉士の仕事内容は?
精神保健福祉士は、精神障害に関する専門的な福祉・保健の知識や技術を身に付けて、社会復帰を目指す精神障害者の相談、援助にあたる仕事です。
日本は精神病院に長期入院している方が世界の中でも特に多いのが特徴で、社会的受け皿が少ないことがその一因となっているようです。
このような精神障害を抱え社会的に行き場のなくなった方達を手助けし調整する職種を精神科ソーシャルワーカーといいます。
活動領域は社会福祉士と重なる部分が多くありますが、精神面を重視した援助を行うのが大きな特徴です。
また、精神障害者からの相談に対応する業務以外にも、税金減免措置や給付制度など社会的支援制度に関する各種情報を提供し支援していきます。
精神障害者抱える精神疾患の程度を考えながら、施設退院後の住まいや仕事に関しての指導・アドバイスを行いスムーズに社会復帰を図れるよう支援していきます。
さらに掃除、洗濯、入浴、整容など日常生活を送るための習慣などを身に付けさせるトレーニングも実施します。
精神保健福祉士が活躍する業務の形態
ケースワーク業務
相談援助業務としてマンツーマンでカウンセリングを実施します。
精神障害者の問題解決能力を高めることを目標として、本人が抱え込んでいる問題を明らかにします。
グループワーク業務
精神障害者各自の能力を引き出すために、集団力学(グループ・ダイナミクス)を活用します。
集団で取り組むことにより、課題を自発的にクリアし、各自がグループ内で任された役割を全うし達成感や喜びを感じ取れるようにしていきます。
コミュニティーワーク業務
ノーマライゼーションの考えを基本にして、精神障害を抱えた者とも生活を共に送れる地域が心豊かに暮らせる場所であることを実感できるような地域社会に変革していくことが目的です。
そのために、社会福祉関連の行政団体、私的団体、障害者団体などとも連携・協働しながら活動を行います。
精神保健福祉士の職場は?
活躍の場は広範囲に渡り、次のような職場があります。
- 精神保健福祉センターや保健所などの公務員
- 精神科の病院やクリニックの職員
- 小規模作業所、福祉工場、デイケア施設、生活訓練施設、授産施設、地域生活支援センター、福祉ホーム、グループホームなどの相談員や指導員
精神保健福祉士になるまでの流れ
受験資格
国家試験を受けるには、大学卒業経由、実務経験経由で受験資格が得られるルートが11種類ありますが、資格取得を目指すには長いスパンでの事前計画が必要です。
国家試験でありながら受験資格を得るための間口が広く設けられていることが精神保健福祉士試験の大きな特徴です。
高校生の場合は精神保健福祉士を目指せる4年制の保健福祉系大学に入学するのが最善の方法です。
福祉系の短大や大学などで指定科目を履修した場合、短大は1年又は2年の実務経験を積むことで受験でき、大学はすぐ受験可能です。
福祉系の短大や大学などで基礎科目を履修した場合、短大は1年又は2年の実務経験を経て短期養成施設へ、大学はすぐに短期養成施設で学べ、卒業すれば受験することができます。
既に社会福祉士の資格がある方は短期養成施設を卒業後、受験できます。
一般の短大や大学などを卒業した場合は、短大は1年又は2年の実務経験を経て一般養成施設へ、大学はすぐに一般養成施設で学べ、卒業すれば受験することができます。
既に実務経験が4年ある方は一般養成施設を卒業後、受験できます。
養成施設は一般は1年、短期は6か月で、実習体験に重点が置かれていますが、通信課程も設けられています。
実務経験とは、厚生労働省が指定した施設で勤務した経験を指します。
精神保健福祉士の資格取得ルート
試験内容
精神保健福祉士 国家試験 | |
試験日 | 年1回(1月下旬の2日間) |
試験科目 |
受験科目は筆記試験のみの計17科目で、精神医学と福祉に関連する内容が主で心理学などが加えられます。 1日目(専門6科目) 2日目(11科目) |
試験科目 免除 |
社会福祉士の資格保持者は、受験科目が一部免除されますので、申し込み時に申請します。 |
申し込み 期間 |
受験日前年の9月上旬〜10月上旬 |
受験料 | 13,250円 |
合格発表 | 3月中旬 |
主催団体 | 公益財団法人社会福祉振興・試験センター |
問い合わせ |
〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1丁目5番6号 SEMPOS(センポス)ビル TEL:03-3486-7559 |
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