アルコール依存症の原因
アルコール依存症になるきっかけは様々ですが、精神心的ストレスが原因になっていることが多いようです。
過度なストレスは、心身に悪影響を与えますので、ストレス発散にとお酒を飲みだすのですが、飲酒を続けているうちに、以前はビール1本でいい気分になれたのに、そのうち3本4本と必要になっていくわけです。
さらにはウィスキーなどのアルコール度数の強い酒を飲むようにもなっていきます。
家庭の奥さんなどは夫の体を心配し、「お酒をひかえて」と言いますが、その時は、量を気にしていますが、すぐ元の量に戻ってしまうことがほとんどです。
人間の脳は、快楽を覚えると一生忘れない性質があり、人間が酒を飲むのは、酔って気分が良くなることを脳が学習するからです。
ですから意志が弱いからではありません。
また飲酒を続けていると、そのうちに依存ができあがります。
飲んでいるつもりが、いつのまにか酒に飲まれて、自分ではコントロールできなくなります。
お酒を飲める人なら、誰でも依存症になる可能性があります。
アルコール依存症が家族に与える影響
アルコール依存症になると、普段物静かな人でも一旦酔うと、ささいなことでどなり散らします。
酔った夫が妻や子どもをののしったり、暴力をふるうこともしぱしば起こります。
特に子どもに対して与える影響は大きく、子どもの心に深い傷(トラウマ)を残し、成人後もACの問題を抱えさせることにつながります。
アルコール依存症そのものは完全な病気です。
よく誤解されるのが、この病気になるのは、仕事もせすに朝から酒を飲んで、道ばたに倒れているような人たちだと思っている方もいますが、実際は見た目や職業は関係なく堅実な職業の方や、医者や弁護士などにもアルコール依存症は意外に多いのが実情です。
アルコール依存症患者が家族へ暴力、虐待をした場合の対応
問題飲酒者が家庭で、家族などに暴力、虐待を行う時もあります。
妻への暴力はDVという犯罪行為ですし、子どもへの虐待も児童虐待防止法に反する行為です。
もしそのような問題が発生した時は、すぐ警察や女性センタ-に相談しましょう。
少しでも身の危険を感じたら、迷わず110番通報することです。
ケガをしたら、119番通報を利用しましょう。
暴力を振るわれそうになった場合は、安全な場所に一時避難しましょう。
近所にみっともないとかの理由でがまんしていても、暴力はエスカレートする一方です。
まずは自分や子どもの身を守ることを最優先にして下さい。
飲酒をやめれば依存症は治るのか?
アルコール依存症どうすれば治すことができるのでしょうか?
アルコール依存症とは、飲酒に対し自分の意志でコントロールできなくなる病気です。
怖いのは、どんなに長くお酒をやめていても、「体調がいいので、ビール1杯ぐらい飲んでもいいじゃないか!」などと言って、1杯でも飲んでしまうと、お酒を飲むことに歯止めが利かなくなってしまう病気だということです。
アルコールに依存してしまう病気ですから、その対象であるアルコールをきっぱりやめ、断酒できなければ確実に死に向かっていくことになります。
禁断症状(離脱症状)とは
本人が断酒を決意した時には、禁断症状に気をつける必要があります。
今まで体が酒にどっぷり浸かっている状態で、急に断酒すると、禁断症状(離脱症状)が出て、手のふるえ、情緒不安定、こむら返りなどを起こします。
ひどくなると、意識を失ったり、けいれんを起こしたり、恐ろしい幻覚体験をする場合もあります。
禁断症状は1週間ほどでおさまりますが、場合によっては命にかかわりますので、治療はアルコール依存症の専門病院で診てもらうのがベストです。
体の病気も併発している場合は、同時に内科などでの治療も必要になりますが、依存症そのものは、精神科で診てもらうことです。
内科治療だけでは、体が元気になり、また調子に乗って飲んでしまう事になるだけです。
精神科での治療は、断酒の必要性と断酒方法を学び、依存する心の原因と問題に対処・取り組むためにも必要です。