EQとIQの違いとは何か
単にIQなどの知能ではなく、社会的・人格的な知性を測定するものがEQ(Emotional Quotient)というものです。
EQという言葉が世に知れたのは、1995年にダニエル・コールマン著の「EQ こころの知能指数」がアメリカで発売されたのが最初の始まりです。
ダニエル・コールマンは、ジャーナリストで、IQが高いからといって、それが必ず社会的成功にはつながっていないという事実から、何が成功できる要因なのかを分析するために、社会的に成功している人物の共通指数を分析して導き出したのがEQという指標です。
EQを端的に言い表すと、人間力または共感する能力とも言え、他者に対する理解や自己の理解、感情を統制する能力が優れているほど高くなります。
また、EQの学習は、大人の年齢になってからでは難しく、ほとんどが思春期まで終了しているといわれています。
そういう理由から、IQのように知的能力の高さを単に示すよりも、子どもの教育や指導に関してはEQの方がより重要であると考えられています。
IQ値が高く学業での成績が優れていても、それが即社会的成功に結び付かないことから、全員が社会に順応し、成功を収められるわけではありません。
一方、EQ値が高いといわれている人の方が十分に自分の持っている才能を発揮し、社会的に成功し活躍している人が多いのも事実です。
それは、EQの特徴である人間力または共感する能力が高いので、社会での人間関係が良好になるということが大きな要因です。
EQの高い人の特徴社会的成功者が多く、幸せに生きているケースも多い。
- 共感する能力がある
- 失敗してもがんばる
- 感情制御力がある
- 人間関係が良好
社会で必ず成功しているわけではない。
- 人を軽べつする
- 人に嫌われる
- いばる
- 相手の立場が想像できない
IQと創造性との違いとは
創造的能力に関連する測定項目が知能検査は極端に少ないと、知能検査の欠点をアメリカの心理学者であったギルフォードは当時指摘しています。
たしかに知能検査では、集中的思考である記憶力、言語力、思考力などのをメインに測定します。
適切な解決策を問題に直面した時に集中して考え出す思考のことを集中的思考といいます。
逆に、創造性(creativity)とは、思考する範囲を周辺に広げ単一的に問題解決しようと試みるのではなく、突拍子で普通の発想では思いもよらないアイデアを考えだす拡散的思考であるといえます。
よって、創造性は知能検査では測定できないため、IQと創造性とは異なる能力であるといえます。
また、IQと創造性は別のもので相反していることを歴史上の事実からも伺い知ることができます。
例えば、天才物理学者と言われているアインシュタインも学校では劣等性で落ちこぼれていましたし、発明王と言われたエジソンも小学校の授業についていけず1年で退学しています。
知能と創造性の特徴について
知能 |
創造性 |
|
特徴 |
集中的思考
・言語力 |
拡散的思考
・思考の速さ |
問い |
速いの反対は? | どんなテレビがほしい? |
答え |
遅い |
答え1:出演者と話せる |
創造性検査について
アメリカの心理学者であったギルフォードは知能検査について、1つの質問に対し、1つの回答が容易に想定でき、創造性とはかけ離れた検査方法だと批判したました。
そこで、1つの質問に対して幾通りもの回答ができる能力を測定する創造性検査を考案しました。
創造性検査の一例
検査項目 |
質問 |
答 |
思考の速さ | 交通事故を自分が目撃した場合、どのような行動を起こすか? | 事故車のプレートナンバーをメモする。 |
思考の広さ | 読む以外に新聞の用途には何があるか? | 地面に座る際に敷く。 |
思考の深さ | 迷子になった場合はどう行動するか? | その場でじっと待つ。あわてて動き回ると余計に迷うため。 |
思考の独自性 | 電話機の全く新しい使い方を考えなさい。 | 想像したことがFAXで送信されてくる電話機 |