性格検査とは、クライエントの性格を測定する目的で使用される心理テストです。
また、人間の思考や行動の基本的傾向のことを性格(人格)ともいいます。
性格検査の3つの手法について
知能検査と同様に、性格検査は、ペーパーテスト形式での心理アセスメントとして広く活用されており、主に次の3種類の手法が性格検査にはあります。
質問紙法とは
具体的な行動例に沿って診断したい性格の特性について質問し、数種類の選択肢から回答を選ばせる手法です。
数量的に結果を処理でき、短時間で実施することが可能ですが、虚偽の回答をしたり、質問が的確に理解できなかったりする可能性がクライエントにあリます。
投影法とは
性格の問題点や特徴などを、文章やあいまいな模様などに対するクライエントの反応結果から診断する方法です。
クライエントの深層心理や無意識の状態をを分析することが可能ですが、心理臨床家自身の個人的な判断や経験が診断結果の解釈に介入する危険があります。
作業法とは
性格や精神状態などを判断するために、単純作業である図形の模写や数字の加算作業などを行わせて、一定時間内の作業量や内容などから診断する方法です。
この方法は、信頼性も高く簡単に実施できますが、限られた側面についての性格測定しか行うことができません。
性格検査の種類と違い
性格検査の質問紙法、投影法、作業法の特徴と手法の違いは次の通りです。
質問紙法 |
投影法 |
作業法 |
|
代表的な技法 | ・YG性格検査 ・メンタルヘルス・シート ・エゴグラムなど |
・ロールシャッハ・テスト ・TAT、SCT ・バウムテスト ・ソンディ・テスト |
・内田クレベリン精神検査 ・ベンダー・ゲシュタルト・テスト |
主要時間 | 短い | 長い | 短い |
集団実施 | 可能 | 個別実施が多い | 可能 |
結果の信頼性 | 歪曲が生じやすい | 歪曲が生じにくい | 歪曲が生じにくい |
深層心理の分析 | 向いていない | 向いている | 向いていない |
検査者の熟練 | 必要ない | 必要 | 必要 |
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