内観療法は、自分の過去の出来事に対して内観を行うことで振り返り、前向き、肯定的に人生を捉えることができるようにすることを目的として、日本で考案された心理療法です。

矯正分野や医療分野で内観療法は発展し、記録内観などで現在の学校教育においても大いに活用されている代表的な心理療法です。

内観療法とは何か

 「身調べ」という修行法が古くから浄土真宗の一派に伝承されていました。

「身調べ」は、寝ず、食わず、飲まずという条件下に自分を置いて自分が行ってきた言動を見直すという過酷な修行法です。

この「身調べ」を基本して奈良県出身の実業家であった吉本伊信が考案した自己探求法が内観療法といわれるものです。

1953年に道場を開き内観療法を行っていきました。

内観療法では、外部と遮断された静かな場所で1週間部屋に閉じこもり、自分と関係のある家族や他人に対して行った態度を内観で見つめ直すということを行います。

内観療法の実施方法

内観療法を行う為の環境と状況設定

 内観療法では、次のような環境や状況を設定します。

  • 場所:
    静かな環境であること
  • 姿勢:
    楽な状態で座る
  • 時間:
    1日の内で5~6時から21~22時の間、内観を行い、1~2時間毎に3~5分の時間をとって面接者に内観の内容を話す
  • 期間:
    1週間継続して実施
  • 作業:
    テーマ設定を行い、その内容に沿って自己に関して内観を行う
内観療法の実施内容

 内観テーマを設定し、次の3つの観点から態度・言動・行動を見つめ直し反省するというものです。

  1. してもらったことは何か
  2. 自分がして返したことは何か
  3. 嫌な思いや迷惑をかけたことは何か

 内観テーマでは、最初母親から始め、次に関係のある身近な人へという順で設定し見つめ直していきます。

また、小学生の頃から現在までの年齢期間を3~5年ずつに区切り、その期間単位で相手の立場に立って過去から現在まで内観を行います。

内観を行っている期間は、面接者が1~2時間ごとに内観者のところへ行き、どのような内観を行ったかを傾聴します。

内観療法の種類

 内観療法には、集中内観日常内観の2種類があります。

集中内観とは

集中内観では、外部と隔離された研修所や部屋などに1週間ほど泊り込んだりこもったりして、自分を見つめ直したり、清掃を行ったりします。

3~5年ごとに小学生の頃から現在までを区分し内観を行います。

日常内観とは

日常内観とは、規則的|こ内観を行う時間を日常生活でも設けたり、内観日記を書いたりすることで、集中内観が終了した後も内観療法を行った効果を維持できるようにすることです。

内観の目的とは何か

 内観を行うことで、同じ出来事でも今までとは違う観点で物事が見えてくるので、新しい発見があります。

よくあるのが、学生時代に母親から□うるさく注意されたことに対して反発し非行に走ったりするケースです。

内観を行うと、実際は自分の将来を本当に心配して干渉していた事実を知ることになります。

すると、家族や他人に迷惑をかけてきた自分に対しても見捨てず愛してくれていたことに気付き、多くの人に支えられていることが実感できます。

このような気づきから、これから頑張って生きていこうという気持ちが湧いてくるわけです。

内観療法では、物事に対する考え方や捉え方が大きく変化するので、いかなる逆境下にあっても前向きに肯定し人生を生きていこうという気持ちに転換できます。

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