臨床心理士は医療機関でどんな仕事をしているのか

 医療機関においては、心療内科、精神科、精神保健センター、小児科などが臨床心理士が主に活躍できる現場です。

医師と連携しながら、統合失調症や重度のうつ病、軽度の神経症まで、いろいろな患者を対象に心理検査、心理療法、カウンセリングなどを行います。

 医療機関によりますが、カウンセリングを専門に行う「心理相談室」が各診療科から独立して設置されているところもありますが、臨床心理士などは病院の精神科で働く場合が多いようです。

 高齢者から幼児まで対象年代が幅広いので、心理学の知識だけでなく、病状を理解する医学的知識も必要となる点が病院などで働く場合の心理臨床の大きな特徴です。

ですから、ターミナル・ケアのように死を目前にした終末期の患者に対してケアを行うこともありますし、小児科だと児童の発達の遅れについての診断や治療、また親のカウンセリングなどを行います。

 このように様々なケースの患者を扱うので、抱えている問題が精神障害なのか、他の病状であるのかにより対応の仕方が異なるため、精神医学や身体領域の知識、薬剤の基本的知識などについて臨床心理学の専門知識と共に理解しておくことも重要です。

また医療現場において心理的に関わる方法は2つあり、従来は治療を中心とした医学的方法が主流でしたが、近年では、環境や心の部分も含めて、全体的に介入する事が多く、周りの環境との相互作用を中心に、生活レベルの問題として扱う方法が重要視されてきています。

精神科医と臨床心理士の役割の違い

 心の問題について医療現場で専門に対応できるのは、精神科医と臨床心理士になります。

精神科医と臨床心理士の違いを一言でいうと問題へのアプローチの仕方が異なるという点です。

 精神科医は、症状の原因を探り医学的見地から悪い部分を治療することを目的としているのに対し、臨床心理士は、治療そのものよりも、心の問題を抱えている人がその問題を乗り越えて改善しさらに成長できるよう支援することに重点を置いている点です。

 仕事内容で具体的な例を挙げると、
精神科医は、「診断」で病名を特定し、「薬の処方」で症状を改善・治療することができます。

臨床心理士は、医師の診断前に、家族やクライエントにカウンセリングをして予診を行ったり、診断材料となる心理アセスメントを行ったりします。

また心理療法を行うことで医師の精神療法を補完する場合もあり、精神科医を含めた医師と臨床心理士が密に連携することは患者の治療にあたっては必要になってきます。

臨床心理士がチーム医療で果たす役割

 患者それぞれに合ったきめ細かい治療と支援が近年の医療では求められています。

以前のように医師が中心となって治療を行うのではなく、他診療科の医師、看護師、作業療法士、栄養士、臨床心理士、医療ソーシャルワーカーなど多くの医療従事者が協力し合いチーム医療として進めていくことが重要になってきています。

 臨床心理士は、その中でも心理的治療において他の専門スタッフと連携することが多くあるので、リエゾン(連携)心理士とも言われ、心理臨床の専門家としてだけでなく、コーディネーターとして医師、看護師、患者、家族間の連絡・調整役も求められている場合も多くなっています。

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