カウンセラーとは心の問題解決を仕事として支援する職業
現在の日本社会では、さまざまな業種・分野において一人ひとりの心理面を支援サポートすることの重要性が大きく注目されています。
心理カウンセラーは、心理学の専門的な知識や技術を活用して、相談者(クライエント)が抱える様々な心の悩みや不安などについての問題解決を、職業として支援する専門家として世間では一般的に理解されているのではないでしょうか。
心理カウンセラーは、心理療法士、相談員、心理職、心理判定員などと活躍する業種によって、このように言われる場合があります。
また、活躍の場も独立開業してカウンセリング事務所を開く方も徐々に増えており、企業や団体などの職場で従業員という形で雇われて働く方ばかりではありません。
ちなみに、クライエントとは、心理カウンセラーなどに相談を受けに来るカウンセリング対象者のことで、依頼人というのが元々の言葉の意味です。
医療分野では病院に来院し受診する患者のことをクライエントと言い、社会福祉分野では、社会福祉や介護などの専門的サービスを利用している個人利用者、グループ、家族などがクライエントに該当します。
心理療法士のは療法士はセラピストという意味もあり、悩み相談よりも治療をメインにして対応する場合は、カウンセラーよりセラピストと言うほうが適切な呼び方です。
また、療法士(セラピスト)が実施するカウンセリングは心理療法(サイコセラピー)と言います。
心理カウンセラーが求められる社会的背景とニーズ
現在の日本では、総人口の4人に1人が65歳以上という社会の超高齢化、労働人口減少による人材不足で過剰労働となり職場でのストレスの増加、ストーカーや虐待、治安の悪化などが顕著になり、それぞれの分野で心理的にしっかりサポートすることの重要性が高まっています。
特に最近では、地域社会の人間関係の希薄化、離婚率の上昇、晩婚化、終身雇用制度の崩壊などで自己責任がより重くなり個人の生き方が問われるようになってきました。
現在の私たちは、多種多様の環境にさらされ、様々なストレスを抱えることの多い時代を生き抜いていかなければなりません。
このような時代背景から心因性の病気や心に悩みや問題を抱える方が急増し、引きこもりやうつ病など社会問題になっており、心理専門家が担うカウンセリングは、クライエントに深く寄り添い個人対応するサービスとして社会からのニーズも増加しています。
社会のニーズに対応すべく心理カウンセラーの代表的資格である臨床心理士や産業カウンセラーの認定登録者数も増加傾向にあり、2004年当時では、臨床心理士が約1万人、産業カウンセラーが約2万人でしたが、その後2016年では臨床心理士が約3.3人、産業カウンセラーが2015年では約3万人にも増加しています。
また、臨床心理士の上位資格とも言える心理カウンセラーの国家資格として公認心理士の資格制度も始まっています。
このような状況から、今後もますます心理カウンセラーの需要は高まっていくと予想されます。
心理カウンセラーが必要とされる社会背景 | 心理カウンセラーの社会的ニーズ |
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現代はストレスを感じやすい状況に頻繁に遭遇するような時代になっています。
うつ病、自殺、トラウマ、PTSD、不登校、引きこもり、摂食障害など、心や精神状態に関するニュースを聞いたり見たりする場面が多くなっていることからも、深刻さをうかがい知ることが出来ます。
自分だけでは到底解決できそうにない悩みや問題が生じた時や、心や気持ちが不安に襲われ不調をきたしている時などに、心理面をメンタルな観点から支援サポートをしてくれる専門家として、心理カウンセラーが必要な時代になっています。
このような社会的状況を考えれば、心理カウンセラーやメンタルケアの資格取得を目指す方が多くなっているのも自然な流れだと思います。
当サイトでは、心理カウンセラーやメンタルケアの資格の種類や資格を目指せる講座、心理学の基本知識やアセスメント、心理療法の技法、心の病など心理学に関わることを広義に取り上げます。
心理カウンセラーという職種は、一見するとスマートで華やかな印象がありがちな仕事ですが、実際はそうではありません。
心理カウンセラーという職業が、社会的に浸透し正しく認知されるには、今後資格取得を目指す方の取り組み姿勢にもかかっていると思うので、正しい倫理観と心構えが必要です。