交流分析士はこの心理技法の習得者として認定されますが、現在、日本交流分析学会と日本交流分析協会が、別々に認定を行っており、認定方法もそれぞれ異なります。

ここでは、医療機関との関係が深い日本交流分析学会が認定する交流分析士資格について紹介しますが、この学会認定資格は交流分析という心理分析手法の認知度向上という役割も担い、1992年からスタートした資格です。

1.学会認定の交流分析士になるまでの流れ

入会条件について

 日本交流分析学会認定の交流分析士になるには、まず学会に入会することが前提条件になります。

  1. 4年制大学学部以上又は同レベルの学識を有すると認められる者は、医学、心理学、教育、看護、社会教育、保健衛生などの各分野の職業に従事した経験を有することで正会員として登録されます。
  2. その他は一般会員として登録されますが、学会やTAネットワークが主催する講習会を受講して必要なスキルを習得し正会員となる必要があります。

認定申請(受験)条件について

日本交流分析学会の正会員となってから3年以上の在籍期間があり、日本交流分析学会認定スーパーバイザーから推薦されることが条件になります。

申請書による書類審査について

申請者から下記の資格申請書類の提出を受け、日本交流分析学会が交流分析の理論・技術・倫理の各側面から審査を行います。

  1. 学会認定研修スーパーバイザーの推薦書
  2. 著書又は原著論文1編以上(学会誌や学術雑誌に掲載されたもの)
  3. 学会で2回以上の研究業績の発表(他の学会や研究会の研究業績でもOK)
  4. 研修会や学会での参加記録
  5. 5例以上の実践具体事例(1例は詳細内容が必要)
  6. 交流分析に基づく自己分析記録

合否判定・資格認定について

審査後、理事会を経て合否の認定が下されます。

問い合わせ先

主催:
日本交流分析学会 事務局

住所:
〒173-8610
東京都板橋区大谷口上町30-1 日本大学板橋病院心療内科内

TEL:
03-3972-8111 (内線3222)

2.学会認定の交流分析士の職域

 交流分析士の有資格者には精神や心療内科の専門医、心理職カウンセラー、大学教授なども多く、交流分析士として身に付けた知識は、企業・学校・家庭などで活用でき、応用範囲が広いため、産業・医療・教育などの様々な分野で活用されています。

交流分析士という資格一本で仕事を行っているわけではなく、どちらかというと本職に交流分析士として習得した知識や技能を活かしてより専門性を高めていると言えます。

3.交流分析(TA)とは

 一般社会では交流分析という言葉はあまり耳にしませんが、この心理療法の考案者はエリック・バーンというアメリカの精神科医で、行動パターンを分析して人の心を読み取り理解しようと開発された心理療法です。

交流分析は「Transactional:取引き Analysis:分析」と英訳されるため、略してTAと呼ばれています。

交流とは心の交流のことで、人と人との関わり方に注目したやりとりを分析するという意味を持った心理技法の一種です。

交流分析士は、交流分析という人格理論に基づき、クライエントの心的状態を分析して対人関係の癖やパターンを解読し、良好な対人関係を築けるような方向に導いていく資格です。

交流分析の基本は4つの理論から成り立っている

 エゴグラムとは、親・大人・子どもという自我構造別のエネルギー量を示したもので、エゴグラムテストが考案されて以降、交流分析だけでなく他でも活用されています。

交流分析では、主に次の4種類の分析理論から構成されています。

  1. 自我構造分析
  2. 複数の対人間で行われるコミュニケーションパターンを分析する交流パターン分析
  3. 人が不快な感情を抱く原因となるやり取りの動機分析を行い、その解決策を提示するゲーム分析
  4. 幼児期に心の奥底に刷り込まれた人生の脚本から脱出していく脚本分析

交流分析を行うことでセルフコントロールを習得し、円滑で良好な人間関係を築ける自律性を獲得することが交流分析の最終的目標です。

自我構造分析で気付きを得る

 多くの人は、何気なく人と出会い自然と他人と交流し人間関係を築いていると思っていますが、実際は同様のパターンで行動しているケースが多くあります。

交流分析では、なぜこのような行動パターンを繰り返すのかを分析し、その理由を理解するところから始まりますが、これを気づきと呼んでいます。

まず交流分析では、人の心を「親・大人・子ども」の3つに分類し、自分の中には意識していない自分が潜在していることを気づかせます。

 エゴグラムでは自我構造を次のように5つに区分し、人は場面や状況に応じて無意識のうちに心の中でそれぞれが作用しあっていることを自覚していきますが、これらは自我構造分析と言われています。

  1. 批判的な親
  2. 保護的な親
  3. 大人の自我状態
  4. 自由な子ども
  5. 順応する子ども

交流分析は自律の達成が最終目標

 自律性を達成することが交流分析(TA)の目標であり大きな特徴で、エリック・バーンは人が自律を達成した状態を次のように定義しています。

  • 親密さ:
    対人関係において誠実で温かい交流ができ、相手とゲームはしない。
  • 自己理解と気づき:
    自己を明確に理解し、現在、今を思い切り楽むことができる。
  • 自発性:
    いかなる自我状態であっても自己行動を新たに選択できる。
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