1.教育カウンセラーとは

 教育カウンセラーNPO日本教育カウンセラー協会が行っている資格で、養成講座を受講し試験に合格後、実践歴や研修歴を評価し資格認定審査が行われ合否が判断されます。

教育分野のカウンセリング資格には、学校心理学、学校教育相談など専門性に関わるものや、養成講座の受講が不要な学校心理士・学会認定カウンセラー・日本進路指導学会認定などがありますが、教育カウンセラーは教育に関するカウンセラーの総称として位置づけられています。

医療分野の臨床心理上、産業分野の産業カウンセラー、教育分野の教育カウンセラーというように、専門分野の棲み分けを目的として創設された資格とも言えます。

2.教育カウンセラーの役割

 教育カウンセラーは、カウンセリングを教育活動に生かすことを重要視し、教育者の視点で、治すより育成に重点を置き、問題発生を未然予防できるよう、集団グループ単位での学級に関わり、生徒の成長を支援サポートします。

教育者としての視点で、教育にカウンセリングを生かすことが教育カウンセラーの重要な役割になります。

また、教育カウンセラーは、カウンセリングの考え方・知識・技法・技術を授業、学級経営、道徳教育、個人教育、生徒指導、進路指導、家庭訪問、三者面談などにフル活用できるプロを目指すカウンセラー資格です。

学問について楽しく学び役立つような授業を行えるように工夫を行い、生徒から授業内容や進め方などについても意見や要望を聞いたりすることが求められています。

3.教育カウンセラーの就職状況

 教育分野に関わる職種に教育カウンセラーを採用するようNPO日本教育カウンセラー協会では推奨していますし、全国の各地域には支部もあります。

しかし、医師や看護師などの免許とは異なり教育カウンセラーの資格認定を受けれても、他の心理カウンセラー資格と同じで、すぐに就職できるようなものではありません。

4.教育カウンセラーの受験資格・試験内容・認定までの流れ

 教育カウンセラーの資格認定を受けるには、各地で実施されている養成講座を受講する必要があります。

教育カウンセラーは初級、中級、上級の3種類にレベルが区分されていますが、試験問題は同じです。

試験は筆記試験や小論文があり、認定審査ではカウンセリングに関する研修歴、相談業務や教育活動などの実践歴などについて総合的に評価されます。

上級試験に関しては面接も実施されます。

教育カウンセラーになるまでの流れ

 教育カウンセラーの資格取得を目指す場合の流れは、次のようになります。

  1. 養成講座申し込み
  2. 認定申請書類記入
  3. 認定申請書提出と申請料納付
    初級申請料:10,000円
  4. 養成講座を受講
  5. 筆記試験
  6. 資格認定審査
    試験結果、経験、実績を基に総合的に判断される。
  7. 審査結果通知
  8. 登録料納付
    • 合格・要望つき合格の場合:登録料20,000円と会費12,000円(3年分)
    • 再審査・保留の場合:会費12,000円(3年分)
  9. 認定証の発行、初級カウンセラー資格取得

 中級・上級教育カウンセラーの受験資格を満たした者が資格取得を目指す場合は、次のような流れになります。

  1. 中級・上級カウンセラー資格認定試験申し込み
    必要書類を提出し、中級・上級とも受験料15,000円を納付。
  2. 資格認定試験
    • 中級:筆記試験・実技試験・口頭試験
    • 上級:筆記試験・実技試験・口頭試験・論述試験
  3. 資格認定審査
    試験結果、経験、実績を基に総合的に判断される。
  4. 審査結果通知
  5. 認定証の発行
  6. 中級・上級カウンセラー資格取得

教育カウンセラーの受験資格と試験概要

資格名 教育カウンセラー(初級・中級・上級)
主催団体 NPO日本教育カウンセラー協会
問い合わせ 〒112-0012
東京都文京区大塚1-4-15 TEL:03-3941-8049
FAX:03-3941-8116
資格のレベル 受験資格と試験概要
初級 カウンセリングの知識や技術を日常教育の指導などに活かせるレベルの資格。
  • 実践歴が2年以上。
  • 各種講座参加(研修歴)が40時間以上。

試験は、
教育カウンセラー養成講座を受講して、その中で実施される筆記試験(約50問)を受けます。

中級 実践で培った豊富な経験を学校や職場でのカウンセリングに活かせるリーダーレベルの資格。
  • 初級の資格保持者で実践歴が5年以上。
  • スーパービジョンを1ケース以上受けていること。
  • 著作物を1編以上発表していること。
  • 初級と中級の教育カウンセラー標準カリキュラムの修了者

試験は、
筆記試験(初級・中級テキスト内容)、ロールプレイ(面接技法に関する内容)、個別口頭試験を受けます。

上級 豊富な経験や専門性を活かし、講習会や研修会などで講師として人材育成や後進指導ができるレベルの資格。
  • 初級もしくは中級の資格保持者で実践歴が7年以上。
  • スーパービジョンを最低2ケース受けていること。
  • 研修論文を2編以上発表していること。
  • 構成的グループエンカウンターリーダー養成ワークショップでエクササイズ係を担当した経験があること。
  • 初級・中級・上級の教育カウンセリング標準カリキュラムの修了者。

試験は、
筆記試験(初級・中級・上級テキスト内容)、論述試験(スーパービジョンに関する内容)、実技・口頭試験(リーダーシップに関する内容)を受けます。

資格の更新 認定年度より7年間有効

更新期限までに「教育カウンセラー資格更新申請書提出」と「更新手数料納付」が必要で、3年ごとの会費12,000円も継続して納められていることが条件になります。

実践歴と研修歴の意味 実践歴とは

 保育・幼稚園から短大・大学までの教育機関や専門学校・養護学校の非常勤教員や専任教員として生徒や進路に関する指導・教育や健康に関する相談・障害児教育などの実務経歴。

さわやか相談員・ボランティア相談員・いのちの電話相談員・企業内の社員相談などの相談業務歴。

研修歴とは

 民間機関が主催するカウンセリング講座、教育委員会や研修センターが主催する現職教員研修、学会が主催する研修会などの教育分野に関するカウンセリング受講の研修歴。

構成的グループエンカウンターとは

 教育カウンセラーが特に重視している技法で、集団に働きかけ個々を育成手法。

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