心理カウンセラーとしての独立スタイルはさまざま

 独立開業に有利な心理カウンセラーの代表資格は、一般社会でもよく知られている臨床心理士・産業カウンセラー・精神保健福祉士などが該当しますが、これらの資格を持っていることで少しでも有利に働くと考えられます。

開業して成功できるか失敗するかは本人の能力しだいで、資格を持っているから必ず開業できるわけではないのですが、個人で相談所を開設しているカウンセラーは、これらの認知度の高い資格を取得している方が多いようです。

 一方、無資格でもボランティアや人生経験が豊かな方は、その知識や経験を武器にして個人開業している方もおられます。

但し、無資格の場合は、医療・教育・産業の各分野で深い実務経験を持ち、幅広い人脈を構築した後でないと、個人開設した相談所などの場合は継続して運営することは容易ではありません。

開業スタイルも、相談所などの実店舗を構えず、WEB上でホームページを開設し、インターネットや電話でカウンセリングを受付し相談に応じて事業展開している方もいるので、クライアントの属性に応じていろいろな形態の開業スタイルがあります。

インターネットや電話でカウンセリングを行う場合は通販ショップと同じような形態で開業することになるため、カウンセラー本人の得意分野や心理療法、保有資格、業務経歴などもWEB上でオープンにしておくことで、相談者の不安感を軽減し信頼してもらえることにより、カウンセリングを行う際、少しでもプラスとなるでしょう。

他には、実店舗の個人相談所を持たないで、公共施設を必要の都度借りてカウンセリング業務を実施しているカウンセラーもいるので、カウンセリング場所については、自前でなくてもやり方次第でいろいろな方法があるのだといえるでしょう。

個人でカウンセリングルームを開設する

 独立と聞くと一般的には、組織に所属せずフリーランスで複数の職場を掛け持ちすることをイメージしますが、個人での独立開業とは、自分が責任者となり心理カウンセラーとしてカウンセリングルームを開設することを指します。

日本では、個人運営のカウンセリングルームは少ないですが、アメリカなどでは臨床心理について大学院で専門的に勉強した方が独立開業しているケースが多く、美容室と同数ほどの個人相談所が存在しているといわれ、資格を持っていなけば独立開業することは困難だといわれています。

提携してカウンセリングルームを開設する

 カウンセリングに関する業務を行っている医療・福祉・教育施設などでの勤務実績をバックに、職場から独立して過去に所属していた職場や知り合いのカウンセリングルームなどと業務提携し相談所を開設するというスタイルもあります。

共同でカウンセリングルームを開設する

 医師や知人の心理カウンセラーと共同でカウンセリングルームを開業する経営形態もあり、この場合は収入源を他に持ちながらでも開設できるため、経済的リスクを軽減できます。

法人化してカウンセリングルームを開設する

 個人ではなく事業規模を拡張し、法人営業サービスを強化したり、心理カウンセリングスクールや講座を開設する場合などに適しています。

但し、経営的な責任と事務負担は大きくなり、リスクを背負うことになりますが、心理カウンセラーとして大きく飛躍することも可能になります。

独立開業して心理カウンセリング相談所を開業するまでの流れ

入念な事業計画と集客のための創意工夫が必要

 経験や資格をもとにカウンセリングルームを開設する場合には、経営責任などの大きなリスクが伴うことを肝に命じておかなければなりません。

最初にクライエントの利便性も考えながら開設場所や必要な各種設備を調達し、内装工事なども行う必要があります。

集客営業については、過去に経験した仕事上のクライエントがいない場合は、ゼロから営業方法について戦略を立て集客していく必要があり苦労を避けては通れません。

集客範囲については、近くに店があるからお客が勝手にやって来るというわけではなく、カウンセリングという職業上の特徴を考慮するなら、主要幹線道路や駅の近辺に開設するなど交通の利便性を考える必要があります。

その他には、電話・メール・出張でのカウンセリングに応じれるようにするなどの工夫が必要になります。

独立開業しスタートしても、仕事が軌道に乗るまでは収益の見込みは期待できないため、当面の生活費、事業運営費、設備維持費などをあらかじめ貯蓄し備えておくべきです。

一般的には社会に広く認知された職業の場合は、開業するための参考資料や指導本が市販されていることが多いため、開業前に収支状況のシュミレーション予想などを行うことができますが、心理カウンセラーを仕事として開業する場合は、決まった指導本などはありません。

開業カウンセラーの経営スタイルも様々で、自分で慎重に事業計画を検討し、営業してからも創意工夫が必要になりますので、今までに築いた人脈を活用し、能力のある人材を見つけ出すことが肝になります。

独立開業するまでの過程

段階 ステップ項目 チェック内容
コンセプトを明確
  • カウンセリングの提供サービス内容は?
  • クライエントの対象者は?
  • 提携先はどこにするか?
開業形態の検討
  • 開業タイプは個人、共同、グループ、提携、法人のどれにするか?
  • 専業、複業のどちらにするか?
  • カウンセリングルームの形態はどうするか?
    (相談所は、自前、賃貸、訪問、WEBのどれか?)
開業場所の検討
  • 交通の利便性、地域の特徴、建屋の環境、競合する同業者などを検討したか?
収支状況の予想
  • 開業資金と運転資金を検討したか?
  • 開業資金に必要な、賃貸費、内装費、広告宣伝費、設備・備品費はいくらかかるか?
  • 運転資金として事業運営が軌道に乗るまでの生活費などの貯えがあるか?

独立開業のメリット・デメリット

 心理カウンセラーとして独立開業する際の必要条件は次のような事項ですが、性別・年齢・職業を問わず不特定多数のクライエントを相手にするためカウンセラーとしての業務範囲以外の能力も問われます。

  • カウンセリングのスキルと力量
  • 自力で仕事をこなしていける自信と開拓精神
  • 相談所のマネジメント能力
  • 人脈の基盤

クライアントの心の問題に深く関わる責任上、組織に所属していれば同僚や先輩上司など、周囲からの協力や助言・指導をもらえますが、個人開業ではそれは期待できないため、自分の力で対応していく自信と能力が必要になります。

 また、カウンセリング料は相場が1時間で1万円くらいが多く金額だけ見ると高額のように思えますが、この費用の中には施設維持費や諸経費が含まれています。

医療保険が適用される病院の精神科やボランティア相談と違い、有償のカウンセリングルームの場合、クライエントが自分で選択し自腹でお金を支払うことで、より希望のカウンセリング枠を確保でき、顧客という立場も明確になり、心理カウンセラーに遠慮なく悩みや感情をぶつけることができるようになるという利点があります。

一見、個人相談所のカウンセリングルームより、病院の精神科の方がレベルや効果が高いように思いがちですが、クライアントが求めているものが異なります。

精神科の医師には「診療」を求めますが、カウンセリングルームの心理カウンセラーには「傾聴」を求めているクライアントもいます。

民間運営の相談所は多くないので、個人開業した相談所が営業的に必ずしも不利であるとはいえず、個人の能力によりますが独立開業も活躍が期待できる職域の一つです。

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