カタルシスとは何か

 緊張や不安を感じさせる大きな原因となっている衝動や感情を、行為や言葉を通じて解放させることカタルシスといい、そのことにより、心の緊張感や不安感などの症状が消失するという意味から浄化、除反応などとも呼ばれます。

 また、緊張や不安などの症状がカタルシスによって消失することカタルシス効果といいます。

例えば、クライエントと面接をしている時でも話をあまりしたがらない場合は、何か問題を抱え込んでいることが多く、その結果、話したくないという状況になっていることがあります。

自分の気持ちを話さないクライエントは、心の中に何かを抑圧しており、葛藤やマイナス感情のエネルギーを無意識のうちに押さえ込み抑圧しています。

話すことができなくても例えば、絵を描くことができるなら、この行為を通じてクライエントの抑圧が解放される可能性もあり、そうなればクライエントの緊張が一気に解放され、話し始める場合もあります。

鬱積させた内面を話したり、絵を描いたり、行動を起こすなどによって、葛藤やマイナス的な感情を表に発散することに繋がります。

 カタルシス効果を意図している具体例として、事故や災害でのPTSDや児童虐待などを治療する場合、切っ掛けとなった過去の経験を意図的に思い起こさせて、それにまつわる嫌な感情を表に発散させ症状を軽減したり、取り除いたりすることがあります。

ストレスとコーピングとは何か

 ストレスとは、様々な不運や不幸な出来事が原因で生じる心労・心配・恐れ・不安・葛藤などの精神的緊張や生体内での防衛反応のことをいいます。

ストレスの原因となる出来事には、次のようなものがあります。

  • 受験の失敗や退学
  • 仕事上の失態や失業
  • いじめ
  • 生活スタイルの変化(転校・転勤)
  • 家庭状況の変化(結婚・出産)
  • 知人の死亡
  • 大けがや病気
  • 戦争体験

 すなわちストレスは、精神・肉体の両面から有害なストレスを引き起こす原因(ストレッサー)によって、心身に生じたゆがみの状態をいいます。

 このストレッサーには、次の5種類があります。

  1. 物理的ストレッサー:
    光(テレビの画面の色)、音(騒音)、温度(過度の冷暖房)、外傷など
  2. 化学的:
    アルコール、タバコ、食事、食品、ほこり、排気ガス、臭気など
  3. 生物学:
    花粉、細菌、カビ、ウイルスなど
  4. 心理:
    心配、不安、不満、憎しみ、怒り、劣等感、優越感、嫉妬、罪悪感、対人関係の悩みなど
  5. 社会:
    ライフサイクル(結婚)、家庭(住宅ローン)、職場(転勤)、生活上の変化(転居)など

 ストレスが心身に生じ続けると、うつ病、心身症、神経症、十二指腸潰瘍、不登校、通勤拒否など、様々症状として心身に害を及ぼします。

一方、このようなストレスを低減し対処しようとする行動コーピングといいます。

 コーピングの方法としては、心身の自覚症状と情緒障害を調べるCMI健康調査などの心理テストでストレス度を診断し、その結果に基づいて心理療法や対処行動などを活用し症状を改善していきます。

また、ストレスを解消するには、次のような日常生活で身近にできるストレス対処行動(コーピング)でも何らかの効果があります。

  1. よく眠る
  2. 入浴する
  3. 栄養のある食事をする
  4. 友達と話す
  5. 音楽を聞く
  6. 運動
  7. 読書
  8. 散歩
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