摂食障害の男女別発症比率

摂食障害は、男性より女性が多く発症しており、10代から20代の若い女性が中心です。

発症年齢は13~20歳、最近は男性にも増えてはいますが、男女比率でいうと1:10の割合で圧倒的に女性が発症するケースが多いということがわかると思います。

摂食障害を発症する原因

原因にはいろいろな仮説がありますが、まだはっきりとした原因はわかっていません。

かつては、女性として成熟することへの恐怖や、女性らしさへの嫌悪が原因と言われましたが、最近はどうもちがうのではないかと考えられています。

また、女性は見た目を気にしがちではあるのですが、自分が他人にどう評価されるかを気にする傾向が強い人、自己評価の低い人は、たしかに摂食障害になりやすいということがわかっています。

女性であれば正月太りで一週間の間に2キロも3キロもいっきに体重が増えれば、プチパニックを起こす人もいると思います。

かといって、体重を気にする女性全員が摂食障害になるわけではありません。

他に何か原因があるんだと考えられています。

今のところ次のような様々な説がありますが、どれもすべての患者に当てはまるわけではありません。

  • 他人からの評価を気にしすぎることが原因
  • 幼少期の性的虐待などトラウマが原因
  • 脳内のセロトニンという物質の異常が原因

摂食障害の治療

摂食障害を発症した場合の治療とは、どんなことをするんでしょうか?

一般的には、治療の目標は食生活を正常に戻して、それを維持することで、同時に、よく見られる自己評価の低さに対するケアも重要といわれています。

ありのままの自分でいいんだという、自分に対する肯定感を育むことで、拒食や過食に向かう衝動が減ってきます。

そのためには、支持的なカウンセリングや、摂食障害者どうしで行う自助グループ・ミーティングが非常に効果的です。

通院治療で食べるようになってくれたらいいのですが、本人は体重が1キロでも増えることが恐怖なので時間がかかります。

また実際は、通院だけではすまない場合もあり、体重減少がひどくて命にかかわる場合は、入院すると医師が、段階的に拒食や過食嘔吐をしないように改善指導してくれます。

たとえば、初日は1100キロカロリー食べるのを始めて、それが食べられるようになったら、次は1300キロカロリーに上げるなどです。

体重増加が不十分な場合は、点滴やチューブなどで、栄養補給をしなければなりませんし、必要に応じて、その他の身体に対する症状の治療も行われます。

このように摂食障害は、入院しないといけない場合もあります。

特に重症の人は、深刻な心の傷を過去に受けたケ-スが多く見られ、このような人は、自分の考えや感情を言葉で表現すること自体が、たいへん苦手です。

そのため、言葉の代わりに拒食や過食嘔吐といった症状が、自己表現の手段となっており、必要悪になっているわけです。

ですから、こういった人たちには、強制的に食行動を修正させるような指導の仕方はうまくいきません。

まず、治療者への信頼感・安心感を持てるようになることが必要になってきます。

そのためには、拒食・過食嘔吐も徐々に修正できるようにしていきながら、家族へも働きかけいっしょに改善していくことも有効です。

退院すると食事は自由になり、また食べなくなる可能性もあるので、退院後も通院して、カウンセリングや各種の精神療法を続けます。

原因となったストレスやトラウマに対処し、食への考え方や行動を修正していくようにします。

摂食障害に対する主な治療方法

治療法 方法 内容
精神療法 支持的カウンセリング 自己肯定感を育む 等
集団精神療法 自己肯定感を育む、摂食障害に関する教育
認知行動療法 食行動の修正 等
自助グループ活動 定例ミーティングヘの参加  ―
安心の場、自己表現の練習の場 自助グループ主催の催しへの参加  ―
家族療法 本人への対応で心身ともに疲れ切っている家族への治療  ―
家族に対する教育  ―
個別カウンセリング、集団療法  ―
薬物療法 異常な食行動自体に対して 抗うつ薬(SSRI)等
合併する抑うつ、不安、不眠、イライラに対して 抗うつ薬、抗不安薬 等
(抗不安薬依存の併発に注意)
その他 合併身体症状に対する治療 栄養補給等
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