ここでは、心理臨床で重要な心理アセスメント(査定)の流れとその手法について解説しています。

心理アセスメント(査定)記事一覧

 心理臨床は、クライエント自身の抱えている問題を聞いているだけでなく、的確に心理アセスメント(査定)を行う必要があります。次に心理臨床の具体的な流れについて見ていきましょう。インテーク面接 まず最初にどのような症状や問題を抱えているのかを把握するために、相談者からの聞き取り面接が現場では行われます。このことをインテーク面接又は予備面接と言います。 インテーク面接では、クライエントの状態を行動観察に...

 適切な心理アセスメントは、心の問題を抱えているクライエントの状況を把握するためには必要で、アセスメントは最初に1回だけ行行えばそれでいいのではなく、臨床中にも随時実施されます。心理アセスメントを行う目的 心理アセスメントを行う狙いは、人格構造、欲求や葛藤、自我などクライエントの全体像を理解する為に行います。心理アセスメントは、初期の面接段階で相談内容・原因・経過などをクライエントから聞きだし、心...

 クライエントとの対話や観察を通じて抱えている問題を見極めることが心理アセスメントの基本です。見極めるための診断方法には様々な心理テストが活用されています。行動観察法とは何か クライエントの現状を把握する為の情報収集で最も基本的ことは観察する・見るという方法です。なぜならば、必要な情報がクライエントの態度や言葉、表情や行動などに表れてくるからです。外見では化粧や服装などから日常生活の様子が伺えます...

 心理テストは、クライエントの症状を客観的に診断するために活用されていますが、ここでは、心理テストの意義やメリット・デメリットについて見ていきましょう。心理テストの意義について 科学的に知能・発達・性格などを診断する手法を心理テストといいます。 症状を計量的に診断する為に臨床的な観察を簡便で多面的に行えるところに心理テストの大きな意義があります。また、心理テストは、心的内面性を把握するための手法と...

知能検査とは何か 知能検査は心理テストの一種で、知的障害を発見するための手法として主に使用されています。知能検査がなぜ開発されたかというと、知的障害児に対して適切な指導を施すことができるようにという目的で、1905年にフランスで開発されました。 開発者したのは、1857年生まれでフランスの心理学者であったビネーです。ビネーは、政府からの依頼で知的障害児を識別するため、ビネー式知能検査を考案した創始...

 知能検査の種類には、個別式と団体式があり、個別式が通常使用されています。個別式知能検査とは 個別式の知能検査の種類には、次のようなものがあります。ビネー式(鈴木ビネー、田中ビネー)ウェクスラー式(WPPSI、WISC-Ⅲ、WAIS-R)KABCその他1.ビネー式知能検査 フランスのビネーが開発した知能検査が基になっており、「鈴木ビネー」と「田中ビネー」の2種類が日本にはあります。ビネー式知能検査...

EQとIQの違いとは何か 単にIQなどの知能ではなく、社会的・人格的な知性を測定するものがEQ(Emotional Quotient)というものです。EQという言葉が世に知れたのは、1995年にダニエル・コールマン著の「EQ こころの知能指数」がアメリカで発売されたのが最初の始まりです。ダニエル・コールマンは、ジャーナリストで、IQが高いからといって、それが必ず社会的成功にはつながっていないという...

 性格検査とは、クライエントの性格を測定する目的で使用される心理テストです。また、人間の思考や行動の基本的傾向のことを性格(人格)ともいいます。性格検査の3つの手法について 知能検査と同様に、性格検査は、ペーパーテスト形式での心理アセスメントとして広く活用されており、主に次の3種類の手法が性格検査にはあります。質問紙法とは 具体的な行動例に沿って診断したい性格の特性について質問し、数種類の選択肢か...

質問紙法のメリット・デメリット 質問紙法は、クライエント自身の身体と精神の状態に対して質問し、自身に当てはまる項目を選択してもらい、その答えを集計して査定する方法です。質問紙法には、次のようなメリットがあります。回答範囲が最初から決められており、ペーパーテストなので簡単で短かい時問で行える。数量的に回答を統計処理するので、心理カウンセラーによる解釈の相違が発生せず、客観的データを得られる。一方、デ...

投影法とは 絵・模様・文章など曖昧なものを見せてそれに対する反応を分析する技法を投影法といいます。深層心理を分析する手段として活用されることも多いですが、心理臨床家の考えや主観が分析結果を解釈する際に影響するため、正確な判定結果を導きだす場合は難易度が高くなります。一方、クライエントからは質問内容と回答結果との関連性は見えにくいので、質問紙法と比べても歪曲しにくい点がメリットです。ロールシャッハ・...

パウムテストについて 1949年にスイスの心理学者であったコッホが考案したパウムテストは、性格検査の1種です。パウムテストは、「実のなる木」を鉛筆で画用紙に描かせて、人格や性格を描いた木の形などから判断する性格検査です。バウムはドイツ語で木という意味で、クライエントの自己像を木として表現し、木の描き方により各パーツは、次のように解釈されるます。葉の部分:樹木の上部の枝葉の茂っている部分にあたる樹冠...

作業法とは 心理テストの質問紙法、投影法に続く第3の方法が作業法というテストです。クライエントに図形の模写や計算作業などの単純作業を行わせて、その時の作業量や作業内容、作業速度の変化などから性格を診断する心理テストです。簡単にだれもが行える点は質問紙法と同じで、いろいろな検査道具を必要とする投影法と違い、ペーパーテストで実施できます。 また、メリットとして言葉は必要ないので、人種や国に関係なくクラ...

 現代では、知能検査や性格検査以外にも、新しく様々な心理検査が考案されています。VPI職業興味検査とは VPI職業興味検査は、アメリカの心理学者ホランドにより考案された心理検査で、現在ではキャリア・カウンセリングを補助する手法として世間でも幅広く活用されています。職業興味検査は、6つの興味の傾向を診断し、その結果から職業を選択する際に生かすために行われている心理検査です。VPI職業興味検査の6つの...

神経心理学検査の活用状況 クライエントのが抱える悩みや問題は、全てが心的原因による問題から発生しているとは限りません。脳の各部分に機能低下や損傷などが起こり、それが原因となって精神状態が不安定になり様々な心の問題を引き起こしていることも少なくありません。いくら心理療法を施しても、症状が改善されない場合は、脳の機能障害も考慮して治療を考えることも必要です。なので、心理テストの一種である神経心理学検査...

 心理テストを活用し、心理アセスメントを行う際には、面接法や行動観察法とその他のテストを数種類組み合わせて実施することが必要になります。テスト・バッテリーとは 心理アセスメントで診断する場合は、心理テストを複数組み合わせて行う必要があります。これは的確な判断結果を示すためには不可欠であり、1種類の心理テストでは信頼性と正確性が低くなるからです。このような心理テストの実施方法をテスト・バッテリーと呼...

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