心理臨床のカウンセリング技術を向上させるためのトレーニングには、ベテランカウンセラーから指導・助言を受ける「スーパービジョン」が欠かせない方法となっています。

スーパービジョンとは

クライエントに対して実際に診断的面接や治療的面接を実施した心理臨床家やカンセラーに対して、実施後の記録に基づき経験豊富なカウンセラーから個人的又は集団的に助言・指導を受けることをスーパービジョンといいます。

 スーパービジョンには、次の2種類があります。

個人的スーパービジョン
 個人的スーパービジョンの場合は、スーパービジョンの受け手(スーパーバイジー)と指導者(スーパーバイザー)の1対1で行われます。

グループ・スーパービジョン
 グループ・スーパービジョンの場合は、症例研究会(ケースカンファレンス)など、スーパービジョンを集団で受けたり、他のカウンセラーの個人的スーパービジョンに同席し参考にしたりします。

スーパービジョンを行うタイミングとは

 スーパービジョンは、主に次のタイミングで行われます。

治療開始から治療プロセス決定までの間の段階
 治療が始まってから、治療していく方向性やプロセスがある程度決定するまでの間に、そのやり方が妥当かどうかを検討する目的で実施されます。

治療中の段階
 治療を行う段階に入ると問題を生じるケースも多いので、治療者自身が治療上の行き詰まりに気付いていない状況を打開する目的で実施されることもあります。

治療段階

治療状況

助言・指導内容

導入期 治療が始まる段階 治療の流れや方向性は妥当か?
第2期 治療内容やプロセスがあらかた決定する段階
第3期 治療を行っている段階 問題解決のやり方は適切か?
治療上の行き詰まりは無いか?

個人的スーパービジョンの実施方法

 個人的スーパーピジョンには、継続法と断続法の2つの方法があります。

継続法とは、
 毎週継続して一般症例について、スーパービジョンを実施していく手法です。

カウンセラーとしてクライエントへの介入の仕方や質問が適切だったか、セッションをどう理解したか、次回どのように進めていくのかなどについて具体的に討議していく方法で、指導者へは各クライエントとの1セッション毎に報告するようにします。

断続法とは、
 クライエントの心理状態について診断的面接が終了した段階で寸議し、治療についてどのような方針で臨むかということにポイントを置いた助言・指導が実施されます。

問題がそれぞれの治療段階で発生した場合は、経過概要の報告をまとめて、それについて随時討議します。

方法 スーパーバイジーが
報告すべき事
スーパーバイザーの
助言・指導内容
継続法 ・セッション内容の報告

・個人的な葛藤などの相談

・カウンセラーとしての理解などか適切かどうかを指導

・心理療法的関わり方について指導

断続法

最初の診断的面接
・診断内容と治療方針を報告

・治療方針の立て方を中心に助言・指導

問題発生
・経過概要を報告

・問題について討議
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