買い物依存・ギャンブル依存とは
薬物やアルコール以外の依存症では買い物依存症という病もあります。
アルコール・薬物依存は、酒やクスリという物質に対する嗜癖(アディクション)ですが、買い物やギャンブル依存は、ショッピングや賭け事をするプロセス(過程)への嗜癖です。
ちなみに、嗜癖(しへき)をアディクションともいい、不健康な習慣にのめり込むことをいいます。
プロセスヘの嗜癖ですが、買い物依存者はデパートめぐりをして、いろいろなものを次々に買っていくプロセスが快感で、いけないとわかっていてもやめられなくなります。
ギャンブル依存といえば、パチンコにハマった話をよく聞きますが、病的賭博とも言われる、パチンコ、競馬、競輪などギャンブルヘの依存症は、大当たりが出た時、勝った時の快感が忘れられなくなります。
めったに来ない当たりを求めて勝負を続け、負ければ取り返そうとさらにハマります。
買い物やギャンブルに依存したら、お金がいくらあっても足りなくなるのは当然です。
買い物依存・ギャンブル依存のイネーブリングとは
買い物依存はクレジット・カードの返済額が増えていくし、ギャンブル依存はカード・ローンやサラ金に手を出しやすくなってしまいます。
給料では返せない金額の請求書が届いて、家族があわてふためきます。
この時、借金を肩代わりしたり、お金を出して尻ぬぐいする家族が多いのですが、逆効果になります。
理由は、本人の責任が軽くなるからで、家族がよかれと思っても、依存を続けるには好都合になるからです。
これら依存症は、依存に助力(イネーブリング)する助力者(イネーブラー)がいることで深刻化します。
家族がイネーブリングをやめ、本人が痛い思いをして、どん底感を感じないと同じことのくり返しになります。
クロス・アディクションとは
クロス・アディクションとは、アルコール依存で仕事依存の人、薬物依存と買い物依存の人など、一人の人間が2つ以上の依存を持つことをいいます。
もっと酷い場合には、さらに他の嗜癖が加わってトリプルのクロス・アディクションになることもあります。
買い物依存・ギャンブル依存などの治療法
クロス・アディクションの場合、アルコール・薬物など、死に至る危険の高い嗜癖の治療から始めることになります。
また、たとえば薬物依存者がクスリをやめても、アルコールや過食、買い物依存に移っていくおそれもあり、依存の対象が次々と変わることを依存症者本人たちは、アディクション・ショッピングと呼んだりしています。
依存の根っこにかくれた問題に目をつぶつたままでは、回復できません。
回復には、感情や行動のコントロールだけでなく、対人関係の築き方の修復も必要です。
依存症から回復するひとつには自助グループに参加することが挙げられます。
自助グループでは依存の問題だけでなく、対人関係や依存の原因にも取り組めます。
もうひとつは、依存症に強い治療機関に継続的に通うことです。
処方薬やカウンセリング、依存症の原因となったトラウマ治療などが必要な場合もあるからです。
その他の依存症
恋愛依存や、人の世話焼きなど共依存は、人間関係への依存ですが、その他にも、食べ物、セックス、仕事、宗教活動、インターネット、携帯電話など、あらゆるものごとが依存の対象になりえます。
特に仕事依存(ワーカホリック)は危険ですが、見逃されがちで、本人は問題ないと思っているし、職場での評価も上がります。
でも実際は、健康を損ねたり、うつ病や自殺、過労死の危険もあるわけで、アルコール依存症にもなりやすいわけです。
それに、仕事依存の父親がいると、家族は放置されて、母親は自分一人だけで悩みを抱えながら育児を強いられ不安から子どもへの虐待を起こすなど問題が発生しがちです。