心理カウンセラーのボランティア経験から学べること

 近年日本では地震や豪雨による大きな災害が多発しています。

2011年3月の東日本大震災、2016年4月の熊本地震は脳裏に焼き付いている方も多くおられると思います。

予期せぬ突然の自然災害などで被災した多くの方は、程度の差はあれ心に傷を負うものです。

当時、臨床心理士をはじめ心の専門家が現地に出向きカウンセリングを通じてケアを行ってきました。

他にもテレビやインターネットで報道されるニュースで悲惨な現状を見聞きし、被災者の助けになりたいという強い思いに突き動かされボランティアとして現地に入った方も多くいました。

被災した住民の話しや要望を聞き入れながら、がれきや泥の撤去など様々な活動をした方もかなり多くいました。

あくまでボランティア活動であるため、手助けするにも限界がありますが、無心で被災者の悩みや話を聞いてあげるだけでも、住民の心が癒され楽になるということを実感した方もいたと思います。

不安・悩み・苦しみなどじっくり話を聞き、辛い気持ちが少しでも楽になるよう和らげてあげたいというボランティア精神豊かな人でありながら、経験がないので自信を持ってカウンセリングできないというジレンマにある方は、心理カウンセラーのボランティア経験をしてみてはどうでしょうか。

心理カウンセラーのボランティア相談員を応募している機関

 ボランティアの募集が多く掲載されている団体としては、各都道府県に設置されている「社会福祉協議会」が有名です。

心に悩みを抱えた県内外の市民の方の相談にのったり、コンサルティングを行ったり、福祉に関する研修講座や情報提供啓発活動、ボランティア活動の研究や調査など様々な観点から活動を行っている団体です。

興味のある方は参加して実際に体験するといろいろ学べることも多くあります。

 他によく知られているところでは、「自殺防止センター」「いのちの電話」があり、ここでは電話による相談やカウンセリングを行っています。

この機関でボランティアを行う場合は、事前に訓練や研修でカウンセリングや相談の受け方など対応方法や基礎知識を理解してから相談員として業務を行いますが、昼夜を問わず寄せられる相談は切実な内容も多くあります。

研修を受ける時の費用は自己負担になり、相談業務に対する報酬は支給されないので、純粋で真のボランティア精神がモチベーションを保つ原動力になります。

見返りを求める気持ちがある方には続けられない活動だと言えるでしょう。

「自殺防止センター」でのカウンセリング

 団体の所在地は、東京都、岩手県、愛知県、三重県、大阪付、宮崎県にあります。

相談方法は、常設の相談電話が設けられていますが、手紙や面談が必要になる場合は応じています。 活動内容は、絶望状況にある人の訴えにひたすら耳を傾け、辛い心に寄り添って支えになれるよう原則電話による相談を行って活動しているボランティア機関です。

自殺防止センター相談員の応募条件は、成人(20歳以上)の男女で、心身共に安定しており自分自身を受容できる方です。

相談員になるためには、研修の受講が必要で、初期研修は10週間グループ形式で実施され体験学習が主になります。

次に面接を受け、実習及び個人指導を受けます。

手当や交通費は支給されず、年会費数千円と研修費数万円は自己負担となります。

「いのちの電話」でのカウンセリング

 団体の所在地は、北海道から沖縄まで全国で50ヶ所以上設置されています。

相談方法の多くは電話になり、一部のセンターでは相談受付日時に制限があるところもありますが、24時間対応のところが大半です。

相談の受付方法も次のような多彩で各センターによって異なります。

  • インターネットによる相談
  • 医師による医療相談
  • 多言語(英語、ポルトガル語、スペイン語)での相談
  • 言語や聴覚に障害を抱えている方はファクシミリでの相談

活動内容は、孤独で精神状態が危機的状況に陥っている方に対して、望みを捨てず生きる希望を持てるように導くなどの活動や自殺予防にも力を入れた活動を行っています。

相談件数は全国規模で数十万件と膨大で、七千名以上のボランティア相談員で対応しています。

いのちの電話相談員の応募条件は、心身が健康な22~65歳の男女です。

相談員になるためには、書類審査、適性検査、面接を受け合格すれば、約1年半に渡り、週1回の養成研修を受けることが出来ます。

研修中は休んだり遅刻したりすることはできず、研修修了後も毎月1回ずつ継続して研修に参加する必要があります。

養成研修の履修単位ごとに自己負担1万円が必要になり、相談活動をしても報酬は一切支払われません。

以上がボランティア相談を募集している代表的な団体です。

実際、心理カウンセラー資格を取得したからといって、最初からクライエントの切実な相談に対して完璧に対応できるわけではありませんし、まして、お金をもらって仕事でカウンセリングを行う場合は、より高い満足度を要求されます。

将来、優秀なカウンセラーを目指し、心理カウンセラーとして長年活躍したいのなら、このようなボランティア活動を通じて体験を積み重ねることで、本当の実力と自信を身に付けることもできます。

なので、興味のある方はチャレンジしてみるのも大きな意義があり、自身のカウンセリング能力をアップさせるための一つの手段とも言えるでしょう。

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